インバウンド需要が戻りつつある今、英語圏の旅行者に向けて情報発信したいと考える宿泊施設や飲食店の方は多いのではないでしょうか。
ただ、「うちは英語が得意じゃないし…」「大手みたいな予算もないし…」と感じている方も多いはず。
そこで今回は、海外からの反応が良いSNSアカウント・ウェブメディアを5つ紹介しながら、小規模事業者でも取り入れられるポイントを整理してご紹介します。
Abroad in Japan(YouTube)
https://www.youtube.com/@AbroadinJapan
イギリス人YouTuberクリスによる、日本文化・社会・観光をユーモアを交えて紹介する人気チャンネル。編集のクオリティが高く、都市部だけでなく地方の魅力やリアルな日本の姿を、海外の視聴者に向けて深く掘り下げている。
サムネイルも丁寧に作っていて、参考になります。
真似できるポイント:
- ユーモアや皮肉を交えたナレーションで、印象に残る構成に→ シンプルな英語でも「トーン」や「言い回し」で個性を演出しやすく、堅苦しくない発信にできる。
- 地域の“日常”や“ちょっとした違和感”をテーマに→ 観光名所だけでなく、地元ならではの小ネタや習慣なども、外国人にとっては面白い発見になる。
Visit Japan / Americas(Instagram)
https://www.instagram.com/visitjapan.us
JNTO(日本政府観光局)による英語圏向けの公式インスタ。高品質な写真と短い英語の説明で、日本の魅力を感覚的に伝えている。
真似できるポイント:
- 写真1枚×英語キャプション1〜2文で十分伝わる
- 「#japantravel」など海外からの検索に引っかかるタグを活用
WAO RYU! Only in Japan(YouTube)
https://www.youtube.com/@WaoryuONLYinJAPAN
英語で日本の文化や食を紹介する人気チャンネル。視点は常に外国人観光客の目線で、食べ方の説明や習慣の違いにも言及。
真似できるポイント:
- 「お客さん目線」で撮影&編集(食べた時のリアクションなど)
- 英語ナレーションなしでも、テロップ+雰囲気だけで伝わる
@yoko_lost_in_japan(Instagram)
https://www.instagram.com/yoko_lost_in_japan
日本を旅する外国人インフルエンサー。地方や隠れた観光地を紹介し、旅行者の目線に立った発信が特徴。
真似できるポイント:
- 撮影はスマホでも十分、自然光で“引き”の構図を意識
- 投稿文に「How to get there」や「What to expect」を入れる
Flip Japan Guide(Web)
Z世代向けに日本文化や観光スポットを英語で発信するメディア。コンテンツはカジュアルながらも、事前に知っておくと旅が楽しくなる情報が満載。
真似できるポイント:
- シンプルな英語で「驚き」や「体験」の要素を伝える
- 五感(音・匂い・触感)を想像できる表現を入れる
小規模施設でもできる!発信の3つのコツ
- 五感で伝える=追体験を促す
- 例:「お椀のフタを開けた瞬間、ゆずの香りが立ち上る」など感覚的な表現で“現場感”を伝える
- 必要最低限の英語でOK。結論→理由→補足の順で書く
- 例:「This is our best-selling dish. Because it’s handmade every morning. Served with yuzu pepper.」
- “説明”より“体験共有”
- 「ガイド」ではなく「お客さんの目線」で、発見や感動を語るだけで伝わる
① 五感で伝える=追体験のカギ
「見る」「聞く」「匂う」「味わう」「触れる」など、五感を使った描写を加えると、ただの情報ではなく「自分もそこにいるような気分」に引き込めます。
📸例(InstagramやYouTube投稿で)
NG:「うなぎを焼いています」
OK:「ジュウジュウという音と一緒に、甘いタレの香りが広がる。目の前で焼かれるうなぎに、外国人のカメラが一斉に向けられる。」
👉 言葉だけでなく、音や匂いもセットで想像させると“自分もそこにいる感”が出ます。

💡シズル感を出すアイデアと英語表現例(初心者向け)
①【音】を擬音語+短文で表現
- 🔤 “Sizzle, sizzle.”(ジュウジュウ)
- 🔤 “You hear it before you see it.”(見える前に、音が聞こえる)
📘例文:
Sizzle, sizzle. You hear it before you see it.
The eel is grilled right in front of you.
英語のオノマトペわかんない!という方はこちらを参考に
英語にもオノマトペたくさんあるんです。
そしてオノマトペは英語でonomatopoeia(オノマトピーア)。
わかりやすい!
②【匂い】は「〇〇+in the air」でOK
- 🔤 “Sweet soy sauce in the air.”(甘いタレの香りが空気に)
- 🔤 “The smell makes you hungry.”(匂いでお腹がすく)
📘例文:
Sweet soy sauce in the air.
The smell makes you hungry before the food comes.
③【動き】は現在進行形 or “right now”で臨場感UP
- 🔤 “They’re grilling it now.”(いま焼いてる)
- 🔤 “It’s happening right in front of you.”(目の前で今、起きてる)
📘例文:
The chef is grilling it now.
It’s happening right in front of you.
④【リアクション】は “Everyone + 動作” で共感を誘う
- 🔤 “Everyone takes out their phone.”(みんなスマホを出す)
- 🔤 “Cameras everywhere.”(カメラだらけ)
📘例文:
Everyone takes out their phone.
Cameras everywhere for this moment.
✅ 組み合わせるとこうなる:
Sizzle, sizzle.
Sweet soy sauce in the air.
The chef is grilling the eel right now.
Everyone takes out their phone. Cameras everywhere.
👉これで中学生レベルの単語だけでも、シズル感+追体験+外国人目線が伝えられます。
② “英語のうまさ”より“シンプルな順番”
英語が苦手でも「言いたいことの順番」を整えるだけで伝わります。
コツは 「結論 → 理由 → 補足」の順で話すこと。
例:
❌ “This eel is special because...(「この鰻」は特別。なぜならば)”(主語が複雑)
✅ “This is our most popular dish. Because we use eel from Shizuoka. Grilled with sweet soy sauce.(「これ」は人気のある食べ物。なぜならば、静岡の鰻を使っている。甘いタレで焼いている)”
👉 一文ずつ短く、主語もなるべく “This / We / You” でOK。
主語が “our restaurant” や “customers” などになると文が崩れがちなので避けると◎。

③ “ガイド目線”ではなく“お客さん目線”
よくある間違いは「説明っぽくなりすぎる」ことです。観光ガイドのように「●●は明治時代に創業されました」と始めると“距離”ができます。
逆に、お客さんの目線に立つと追体験につながります。
📸例(YouTube/Instagram キャプション)
❌ “Our restaurant is known for handmade soba since 1889.(うちのレストランは1889年創業で、手打ち蕎麦で有名です)”
✅ “You’ll hear the sound of soba being cut by hand. And smell the dashi before the bowl even reaches your table.(そばを切る音が聴こえるでしょう。そして、配膳される前から出汁の香りが香ってきます)”
👉 相手の目・耳・鼻・口・心で感じる順番を想像して書くと、「自分もそこに行ったら、こう感じるかも」と思ってもらえます。

✅ まとめ:「追体験 × シンプル英語」のポイント3つ
- 五感を入れる:「音・匂い・手触り」などで臨場感を演出
- 1センテンス=1情報にする:「結論→理由→補足」の順で整理
- 説明より感情をシェア:「あなたも、こう感じるかも」という目線
これを意識するだけで、外国語が苦手でも、魅力が“ちゃんと届く”発信になります。
投稿に自信がないときは、Google翻訳+DeepLで一度訳しながら、自分の言葉に戻して調整するのもおすすめです。
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