こんにちは!歴史学科考古学専攻卒・地中海沿岸の歴史大好きな料理研究家・Ruiです。
料理の持つ背景や歴史を知れば、料理が3倍面白くなる!
てことで、ぼくの大好きなパスタを中心に、歴史的な背景や成り立ちを調べていくブログを始めます。
第34回の今回は、バレンタインにぴったり!ガトーショコラを紹介していこうと思います。
1、ガトーショコラ=チョコレートケーキ ではない❓
バレンタインの定番、みんな大好きガトーショコラ。はい、ぼくも大好きです。
スイーツ男子なのでよく作って1ホール食べます。全部。
濃厚でしっとりした食感、チョコの香り、生クリームなんかと合わせるとさらにいいですね。甘美。
ところでこの名前の意味をご存知でしょうか❓
ガトーショコラとは、フランス語で「焼いたチョコレート菓子」という意味で、本来はチョコ系の焼き菓子全般を指す言葉です。ぼくら日本人が想像するガトーショコラは、正確には「クラシック・オ・ショコラ」と呼ばれるものです。
つまり、クラシック・オ・ショコラ(=日本で言うガトーショコラ)はガトーショコラの中の1種類ということですね。
日本ではもうほぼほぼ和製仏語ですが(笑)
まー言葉も生き物ですし、これも1つの歴史です。
日本ではなんとなく
ガトーショコラ=しっとり濃厚なケーキ
チョコレートケーキ=チョコ味のスポンジとクリームのふわふわケーキ
という感じで分けられてますね。特に定義はありませんが、一般的な解釈で。
2、違いはチョコっとじゃないよ
さて、そんなチョコレートケーキが歴史上最初に登場するのは18世紀のことです。
カカオは16世紀頃ヨーロッパへ伝わりましたが、しばらくは飲み物として使われていました。
1719年、貴族のコンラッド・ハッガーが書き残した料理手帳には、「チョコレートトルテ」のレシピが記録されています。また、1774年、ベルギーのブリュッセルでムノンという人物が著した料理本『ブルジョワの女料理人』の中には、「チョコレートのビスキュイ」が紹介されています。
※ビスキュイ…「別立て式」のスポンジ生地とこと。「共立て式」は「ジェノワーズ」。
さらに19世紀、1832年にオーストリアのウィーンで「ザッハトルテ」が作られました。ザッハトルテは翌日にはウィーン中の評判になるほどの好評だったという。今でもザッハトルテは世界中で人気のお菓子で、「チョコレートケーキの王様」と称えられています。
せっかくなのでここで、よく似ている「ブラウニー」や「ザッハトルテ」との違いをご説明しまひょう。
「ブラウニー」はアメリカ発祥です。見た目が茶色い(=Brown)ことが名の由来とされています。
四角い型で平たく焼き上げることが多く、ナッツやチョコチップ等を混ぜることもあります。「普通のケーキよりも小さく、手づかみで気軽に食べられるお菓子」というコンセプトで開発され、作るときも材料全てをシンプルに混ぜるだけなのでそれほど難しくありません。
ガトーショコラに比べてチョコレートを多く使うのでしっとりした仕上がりになります。
「ザッハトルテ」は前述の通りオーストリア発祥です。フランツ・ザッハーという人物が考案したことからこの名がついたとされています。
チョコレート味のスポンジでアプリコットジャムをサンドし、さらに溶かしたチョコレートでコーティングするというなんとも贅沢なケーキです。お店によってはスポンジとジャムが何層にもなった、さらにゴージャスなものもあります。特にコーティング作業が高難易度で、上級者向けのケーキとされています。
濃厚なチョコ、柔らかいスポンジ、甘酸っぱいジャム、色んな味が楽しめるまさに「チョコレートケーキの王様」です。
こうして比較してみると、ブラウニーはより気軽にフランクにというイメージで、ザッハトルテはより上品にエレガントに、という印象ですね。
とはいえ、3種とも現在では世界中で愛されているスイーツなのは間違いありません。
3、おうちで作れるの❓
はい、作れます。大丈夫です。
確かに、チョコ系と聞くと特に難しそうな感がありますね。でも、いくつかのポイントを押さえておけばご家庭でも本格派のガトーショコラが作れます。
①きっちり計量…普通の料理のように後で味の調整というのが難しいため
②温度管理…異なる素材同士でも温度を均一にすることで「乳化」する。
③混ぜ方…ホイッパーで、ゴムベラで、2〜3回に分ける、素早く、等々の各工程の混ぜ方を守る。
さあ、落ち着いて、レッツクッキン
材料(18cm丸型1台分)
- チョコレート 100g
- 無塩バター 80g
- 卵黄 3個分
- 砂糖(卵黄用) 30g
- 生クリーム 80ml
- インスタントコーヒー 大さじ1
- ラム酒 小さじ1(苦手ならなくてもいい)
- 卵白 3個分
- 砂糖(卵白用) 40g
- ココア 45g
- 薄力粉 25g
- バニラエッセンス 少々
- 粉糖 お好みで
作り方
1、卵黄は室温に戻しておく。材料をそれぞれ計量する。湯せん用のお湯を沸かす。粉類を合わせて振るっておく。生クリームは600Wで20〜30秒程温める。沸騰させると分離するのでほどよくでよい。型にクッキングシートを敷いておく。
2、チョコレートを細かく刻む。早く均一に溶かすための一手間。刻んだチョコとバターをボウルに入れ、湯せんで溶かす。インスタントコーヒーも溶かす。
3、卵黄と砂糖をボウルに入れ、すり混ぜる。最初はシャバシャバしているが、だんだん白っぽくもったりした感じになってくる。2、生クリーム、ラム酒を順番に少しずつ混ぜる。一気に入れるとうまく混ざらないことがあるため、焦らず少しずつ加えながら混ぜる。
4、8分立てのメレンゲを作る。泡が細かくなってきたら砂糖を2〜3回に分けて加える。固すぎるメレンゲだと最後に強く混ぜる必要があるため、せっかくの泡が消えてしまう。ので、少しゆるめのメレンゲがベスト。「ピンと立ったメレンゲが軽くお辞儀をする」くらい。
このあたりのタイミングでオーブンを170℃に予熱しておく。
5、3にメレンゲを1/3ほど入れ、よく混ぜる。ここはしっかり混ぜてよい。粉も加えてさっくりと混ぜる。
6、5をメレンゲのボウルに入れ、泡を潰さないように、ゴムベラで全体をさっくりと切るように混ぜる。ツヤが出るまで混ぜたらOK❗
7、型に入れ、少し上から2、3度落として空気を抜く。170℃で55分焼成する。途中、半分経ったら反転させ、火の入りを均一にする。
8、中心部に竹串を指して何もつかなければOK❗粗熱が取れたら型をはずす。いきなり冷蔵庫に入れると焼き縮みが大きいので、常温でゆっくり冷ます。冷めたら紙をはがす。
9、お好みで粉糖や生クリームを添えて完成❗
紅茶もいいが、コーヒーまたはエスプレッソがオススメです。
隠し味のインスタントコーヒーが相乗効果を生み、味や香りに調和をもたらしてくれます。
4、まとめ
いや〜、この時期になるとやっぱりね、出るんですよ、ツクリタイムシが。
まーいいじゃない。なぜなら、チョコは正義だからさ(ドヤッ)
みんな大好きガトーショコラ、バレンタインに向けて是非作ってみてくださいね❗
では今回はこのへんで、また次回も見てくださいね〜
5、インフォメーション
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参考資料
- 川上文代著 『イチバン親切なイタリア料理の教科書』 新星出版社 2013年
- 『るるぶ情報版 イタリア’20』 JTBパブリッシング 2019年
- 『地球の歩き方 イタリア 2019〜2020年版』 株式会社ダイヤモンド・ビッグ社 2019年
- 小菅陽子著 『みんな大好き! 定番お菓子』 旭屋出版 2006年
- 『人気定番スイーツの基礎BOOK』 朝日新聞出版 2018年
- https://www.sakuramechocolate.com/entry/knowledge-gateauchocolat-chocolate-difficult
- https://theokuratokyo.jp/letter/pastry/article-11/#:~:text=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%80%81%E3%83%81%E3%83%A7%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%92%E7%94%9F%E5%9C%B0,%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%81%8C%E5%87%BA%E6%9D%A5%E4%B8%8A%E3%81%8C%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A7%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%AD
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%83%E3%83%8F%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%86
- https://macaro-ni.jp/73471