極める!イタリアン

極める! イタリアン歴史街道|ナポリタンの歴史

こんにちは!歴史学科考古学専攻卒・地中海沿岸の歴史大好きな料理研究家・Ruiです。
料理の持つ背景や歴史を知れば、料理が3倍面白くなる!
てことで、ぼくの大好きなパスタを中心に、歴史的な背景や成り立ちを調べていくブログを始めます。

第6回の今回は、下町洋食の定番、ナポリタンを紹介していこうと思います。

1、え? ナポリ生まれじゃないの?

ナポリにナポリタンはありません。というかイタリア発祥でさえありません。ナポリタンが誕生したのは日本です。

諸説ありますが、日本で最初にナポリタンが作られたのは第二次大戦後間もない1946年のことで、横浜の「ホテルニューグランド」の2代目総料理長の入江茂忠氏が考案した料理とされています。

このホテルは当時GHQに接収され、アメリカ軍将校の宿舎として使用されていました。将校たちはケチャップで和えただけの具なしスパゲッティをよく食べていましたが、味気なく栄養価も低いこの料理をどうにか改良したいと考えた入江シェフは、試行錯誤を重ね、ケチャップではなく生トマトとトマト水煮でトマトソースを作り、炒めたハム、ピーマン、マッシュルームを加えたパスタ料理を考案しました。これが最初の「スパゲッティ・ナポリタン」と言われています。

ちなみに名前も見た目もよく似たメニューならイタリアンに存在します。「スパゲッティ・アッラ・ナポレターナ」というものがそれです。煮込んで裏ごししたトマトソースをスパゲッティにからめた料理で、確かによく似ています。なにやら、トマトソースを用いた料理を「ナポリ風」と呼び、トマトソースをからめたパスタを「ナポリターナ」と呼ぶそうです。これが語源であるとも、入江シェフが日本人が発音しやすいように変化させたとも言われています。

また、別の説では「スパゲッティ・ウィズ・ミートボール」という料理が起源ではないかと考えられています。アメリカ生まれの料理で、パスタにトマトソースとミートボールをからめたものです。アレです、アレ。『カリオストロ』の序盤でルパンと次元が取り合ってたヤツです。日本には戦後に進駐軍を通して伝わったと言われ、これがルーツとなりナポリタンへと変わっていったと考えられています。

いずれにしても、日本発祥のパスタ料理であることは間違いないようです。

実はぼくこういうのけっこう好きです。自国の文化と外国の文化が混ざり合い、新しいものが生まれる・・・まさに歴史ですね。まー文化も生き物ですからね、時代が変わって人の営みが変われば文化も変わる。日本にしたって、もともと外来の料理の天ぷらは今やすっかり和食の定番ですし、抹茶は不思議とチョコレートやケーキやアイスクリームと相性がいいですし、やっぱりそういうのあると思いますよ。

こういう新しい発見があるから歴史はやめられませんね〜。

2、え? ケチャップ入んないの?

そうなんです、元祖ナポリタンにはケチャップが使われていません。ぼくも驚きました。

前述の通り、最初にナポリタンを作ったのは「ホテルニューグランド」の2代目総料理長の入江茂忠氏と言われていますが、入江シェフの考案したレシピではケチャップでなくシェフ仕込みのトマトソースが使われていました。というのも、入江シェフはケチャップではホテルで提供する料理にふさわしくないと考え、ケチャップを使わないレシピを考案したのだといいます。なんだか誇りとこだわりの高さを感じさせるエピソードですね。

3、下町洋食の定番メニュー!

さあ、というわけで、今回もレッツエンジョイ、クッキング!

なんか今回は今までよりずっとハードルが低いと感じられませんか?誰もが知っている洋食のド定番ですし、作り方も大体判明しているからでしょうか。

今回は偉大なる先人、入江シェフに敬意を表し、ケチャップではなく以前作ったトマトソース(第4回)で作ってみます。

材料(1人分)

○パスタソース

  • オリーブオイル 10g
  • バター 10g
  • ニンニク 1カケ
  • 玉ねぎ 1/4個分
  • ハム 2枚
  • ピーマン 1/2個分
  • マッシュルーム 2個
  • トマトソース 大さじ4
  • 粉チーズ 大さじ1
  • 塩 1〜2g

○トッピング

  • 黒コショウ 適宜
  • 粉チーズ 適宜
今回はオーソドックスな具材を揃えた

キノコは水を吸いやすいので洗わず、ペーパーで汚れを取る。

具材は、上記のものと決まってはいません。ハムをベーコンに、マッシュルームをしめじに変えるなどもアリよりのアリです。

作り方

1、玉ねぎとマッシュルームは薄切り、ピーマンとハムは細切り、ニンニクはみじん切りにする。

2、フライパンにオリーブオイル、バター、ニンニク、玉ねぎを入れ、強火にかける。

3、バターが半分ほど溶けたら中火にして玉ねぎがしんなりしてきたらハム、ピーマン、マッシュルームを入れる。

4、具材に油がなじみ、玉ねぎが透き通ってきたら火を切って放置。粗熱が取れたら空いたスペースにトマトソースを入れ、その上に粉チーズと塩を盛る。(具材に塩をかけると塩を吸うので、麺が味しなくなるのを防ぐ目的)

余熱でも火が入るのでちょっとカタいかな?ぐらいで火を切る
おわかりいただけただろうか。余熱で玉ねぎやニンニクがいい感じになっていることを・・・
塩は具材からよける。

5、パスタは茹で上がったら湯切り。パスタが茹で上がる頃ソースを温めよく混ぜる。均一に混ざったらすぐ麺を入れ素早くからめる。

6、お好みで黒コショウと粉チーズをトッピングして完成!

4、まとめ

というわけで、ナポリタンの回でした!日本生まれのパスタ料理!歴史ヲタにはたまらん回でした。ウヒヒヒヒヒ。こういう異文化交流みたいな料理、探せば色々出てきそうですね。いや〜やっぱり歴史はいい、歴史はいいですね!これぞロマン!

ではでは今回はこのへんで、また次も見てくださいね〜

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参考資料

  • この記事を書いた人

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