極める!イタリアン

極める! イタリアン歴史街道|コトレッタの歴史

2021-07-03

こんにちは!歴史学科考古学専攻卒・地中海沿岸の歴史大好きな料理研究家・Ruiです。
料理の持つ背景や歴史を知れば、料理が3倍面白くなる!
てことで、ぼくの大好きなパスタを中心に、歴史的な背景や成り立ちを調べていくブログを始めます。

第11回の今回はお酒のお供の揚げ物、コトレッタを紹介していこうと思います。

1、コトレッタってなんぞや?

コトレッタとはイタリア風カツレツのことです。「ミラノ風カツレツ」という名前ならどこかで見覚えないでしょうか?特にミラノの名物料理なので、現地では「コトレッタ・アッラ・ミラネーゼ(ミラノ風カツレツ)」と呼ばれています。

確かに、日本ではコトレッタという料理名はまだ馴染みが薄いかもしれませんね。レストランのメニューや料理アプリをいくつか調べてみましたが、「ミラノ風カツレツ」という名前の方がずっと多かったです。

どんな料理かというと、薄く伸ばした仔牛肉にパン粉をつけてフライパンで揚げ焼きにするものです。見た目のボリューム感すごいですね。

肉を薄く伸ばし微細なパン粉を使うので厚みはさほどありませんが、普通の揚げ物より少量の油で調理できるし、揚げ油にオリーブオイルを使うので香りも爽やか、揚げ物なのにそれほど重くない仕上がりにできるのです。

トッピングはトマトソースとたっぷりのチーズが定番です。イタリアンと言えばやはりトマトとチーズは外せませんよね。

コトレッタ・アッラ・ミラネーゼ

2、あの料理の元祖?

ヨーロッパ各国にはコトレッタとよく似た料理が存在します。フランス料理のコートレット、ドイツ料理のシュニッツェル、ロシア料理のコトレータ等々、名前もよく似てますね。作り方もほぼ一緒です。

このうち、コトレッタとも、フランス料理のコートレットとも言われますが、いずれにせよこの「仔牛肉にパン粉をつけて揚げた料理」が日本に伝わり「カツレツ」となり、

  • 食材:仔牛肉→豚肉
  • パン粉:細→粗
  • 油の量:少→多

と、日本人好みに変化して「とんかつ」が生まれたとされています。つまりとんかつのルーツとなった料理ですね。

3、揚げ物って油がたくさんいるんじゃ・・・?

大丈夫です。コトレッタは通常の揚げ物のように、食材が泳ぐような大量の油は必要ありません。薄く伸ばすことで少量の油でも問題なく作れるカツレツなのです。

本家は仔牛肉ですが、日本ではちょっと難しい食材なので、手に入りやすい豚肉で作ってみました。

レシピを調べるうちに判明したことですが、粉チーズを卵に混ぜるのとパン粉に混ぜるのと2パターンあるみたいです。どちらが先かは、すみません、そこまでは分かりませんでした。でもせっかくなんで両方作ってみました。

材料(3人分)

  • 豚ロース肉 3枚
  • 塩・コショウ 適量
  • 小麦粉 大さじ1
  • 卵 1個
  • 粉チーズ 大さじ2
  • 黒コショウ 適量
  • 細パン粉 1カップ程度
  • オリーブオイル 適量

作り方

1、肉を筋切りします。筋切りとは肉を柔らかくする下処理です。豚ロースは赤身と脂身の間に筋があって、これが残ったままだと食感が悪くなるので、写真のように数ヵ所切り込みを入れます。加えて、フォークで肉の表裏全面をまんべんなく刺します。これだけで仕上がりが段違いなので、お忘れなく。その後、ラップを上下2枚使ってはさみ、たたいて薄く伸ばす。

下処理は普通のステーキやとんかつと同様
ラップではさむと道具も汚れず衛生的

2、塩・コショウして、小麦粉→溶き卵→パン粉の順でつけていく。冷蔵庫で1時間ほど休ませる。こうするとパン粉がしっとりして、ぱらぱら落ちにくい。

小麦粉はつけたら余分な粉をはたく
パン粉がつきづらい時は、卵→パン粉を2回ほど繰り返してもよい
  • 卵+チーズの時は、溶き卵に混ぜて肉につける。
  • パン粉+チーズの時は、パン粉に混ぜて肉につける。

3、フライパンにオリーブオイルを深さ1cmくらい入れ、温まったら肉を入れる。2〜3分ほど揚げ焼きにして、キツネ色になったらひっくり返してまた2〜3分揚げ焼き。全面こんがり揚がったらザルで油を切る。

面積の広いフライパンが揚げやすい
油少なめでもしっかりキツネ色!
縦に並べると油が切れやすい

4、キャベツ、チーズ等お好みの付け合わせを添えて完成!(写真のは第4回で作り置きしたトマトソース)

外はサクッと、中はジューシー!

それで、卵とパン粉のどちらにチーズを混ぜるかの違いですが、すみません、ほとんど分かりませんでした。(オイ)なんとな〜く、

  • 卵に混ぜる→モグモグ咀嚼してるとチーズの風味がしてくる。卵がもったりするのでパン粉がくっつきやすい。
  • パン粉に混ぜる→食べる前からチーズの香りがする。パン粉が微妙に足りない時のかさ増しができる。

という感じでした。どちらもメリットありますね。ぼく個人的には卵に混ぜたほうが作りやすかったですが、ご自身のやりやすい方で全然OKだと思います。

4、まとめ

写真撮ってる時気づきました。トマト、チーズ、野菜(キャベツやパセリ等)がイタリア国旗の3色、つまりマルゲリータと一緒です!第2回でも触れましたが、改めて考えるとイタリアンってこの3色がある料理って多いかも・・・きっとイタリアの皆さんはとても愛国心が強い人たちなのでしょうね。んん〜ロマン!

イタリアの国旗のことに気づいたのはホントに偶然ですが、あながち間違ってはいないと思います。実際見た目も味もとても相性がいいです。トマトとチーズは正義です。万歳。

コトレッタを調べるうちに、日本のとんかつへとつながる・・・こういう横のつながりがあるから歴史って面白いですね。ちなみに鶏肉を使った「わらじカツ」「わらじチキンカツ」という料理もあります。名前はどう考えても見た目からの連想でしょうね。作り方も↑とほぼ一緒です。こっちも美味しいですよ。

では今回はこのへんで、また次回も見てくださいね〜

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料理研究家Rui on Instagram: "ウチでカレー作る時、ライスはもちろん美味しいですが、たまにはパンもいいですよ。煮込んでる間に発酵できるし。 というわけでカレーピッツァ作ってみました。 生地もカレーも自家製です🍕 材料(1枚分) ○生地 ・強力粉 150g ・塩 小さじ1/2 ・オリーブオイル 大さじ1 ・ドライイースト 3g ・ぬるま湯 100ml ・打ち粉(ベタつき予防で手やまな板につける粉) 強力粉を適量 ○トッピング ・カレー お玉1杯分 ・ピザ用チーズ 30g ・黒コショウ 適宜 ・オレガノ 適宜 ・ピザストーン 1枚(これがキーアイテム❗️) 作り方 ①ぬるま湯にドライイーストを溶かし、よく混ぜる。 ②大きめのナイロン袋に生地の材料を全て入れ、よくこねる。できれば20〜30分くらい根気強くコネコネ。 ③レンジで40〜45℃で1時間発酵→ガス抜きして丸め直す→また40〜45℃で1時間発酵。これで生地完成❗️ ※発酵は真夏のベランダに放置とか湯船に浮かべるでもアリ。マジでめっちゃ膨らみます。カラスやネコには気をつけて❗️ ④オーブンを250℃(できれば300℃)にして、写真7枚目のピザストーンも一緒に予熱。 ⑤生地を平たく伸ばし、カレーを薄く広げてチーズを散らす。 ⑥予熱完了したらオーブンに入れ、250℃なら12分、300℃なら5〜6分焼く。途中、半分経過したら生地を半回転させ、焼き加減を均一にする。 ⑦焼き上がったらお好みで黒コショウ、オレガノを散らして完成❗️ ピザストーンとは、粘土を高温で焼き上げたものです。金属より保温性が高いので冷めにくく、また遠赤外線の効果でふっくらジューシーに仕上がります。 メーカーによって丸型、角型、取っ手付き等、色々あるので、ご自宅のサイズに合うものを探してみてね❗️ ボナペティ❗️ #カレー #ピザ #ピッツァ #カレーピザ #カレーピッツァ #自家製 #自家製ピザ #ピザストーン #ピザストーンで焼いてみた"

45 likes, 2 comments - rui_ryourikenkyuka on June 21, 2021: "ウチでカレー作る時、ライスはもちろん美味しいですが、たまにはパンもいいですよ。 ...

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参考資料

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Rui

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