インタビュー

ファンメイクボイストレーナー 林真梨子さんインタビュー

2021-11-09

こんにちは!さかのしたの中の人、じゅりちゃんです。

11/22(月)からいよいよ、毎週月曜日の定期イベント「ママの週替りのまなび」が始まります。

「子どもの頃のように、ママになった私が学んで遊ぶ」をコンセプトに、週替りの講座と、お茶を飲みながらの情報交換、最後はおかず1品お土産付きというもりだくさんの企画です。

初回講座の講師を快諾してくださったのが、マリリンこと林真梨子さん。

マリリンは、ファンメイクボイストレーナー/ナレーターとして活動されている、声のプロです。

プライベートでは、男の子のママでもあり、産後うつも経験されています。

今回、ママに向けての講座「初産、ワンオペ、泣き止まない子供 私の産後うつを救った!1回10分マインドフルネス呼吸法」を開催するにあたり、マリリンの素顔に迫りました。

働く女性として、母親として、どのような葛藤や喜びがあったのでしょうか。

ファンメイクボイストレーナー 林真梨子さんインタビュー

新聞記者からナレーターへ異色の経歴

じゅり:マリリンこんにちは。今日はお時間いただきありがとうございます。さっそくなんですが、マリリンの経歴を聞かせてもらえますか?

マリリン

ナレーターをやっています。

ナレーターというのは、TV番組やニュースの映像部分の原稿を呼んでいたり、CMや企業がWebサイトで配信する事業案内や商品紹介をする声の仕事です。

似た声のジャンルには声優・アナウンサー・司会者があります。

じゅり:TVやCMで活躍されてるナレーターのお仕事って、ベールに包まれていると思うのですが、どんな働き方なんですか?

マリリン

私は以前はTVやCMもやりましたが、収録時間が不規則だったり、深夜に渡ったりするんですよね。

なぜなら、これらは尺(映像の長さ)が決まっているのでシビアなんです。

1秒たりとも増減できません。

尺がしっかりと決まって、もうこれ以上映像に修正がないぞとなった段階でナレーションを入れなければならないので、編集の最終段階で深夜になることもしばしばです。

なので、今は子育てとの両立のため、個人受注で企業の商品紹介、事業案内、吹替、CM、ウェビナー司会などを承っています。

じゅり:ナレーションがつくと、途端に映像がわかりやすくなりますよね。ナレーターにはずっとなりたかったんですか?

マリリン

私、最初からナレーターになろうと夢を追って叶えた人、じゃないんです。

スポーツ選手みたいに、子供の頃から頑張って夢を叶えた!とかかっこいいですけどね(笑)

私は元は俳優、もっというとその前は新聞記者でした。

大学卒業後、地元山梨で新聞記者をしていたんですが、どうもね、”肌に合わない”。

当時は若くて「肌に合わない」は努力で克服できると思って頑張っていたんですが、本当に根本的に肌に合わない仕事って上達しないんですよね。

頑張っも頑張っても成果が出ないと自信もなくなりますしね、企業内カウンセリングをうけていたほどです。

そのレベルで肌に合わなかった。新聞記者って仕事は人の生活情報を支える、素晴らしい職業ですが、私の場合は、頭で考えて文字化するより体で感じて言葉で伝える方が会っていました。

それに気づいて転職を考えた時に、思い切って感性を爆発させられる役者の世界へ飛び込んだんです。

じゅり:脱サラして夢を叶えるとか超かっこいいですね!

マリリン

いやいや、役者に転身後、待っていたのはやっぱり下積み。

そして世に出たんですが、当時ひょんなご縁から日テレ「月曜から夜更かし」の甲州弁の話し手で起用してもらいまして、そこから他のバラエティのVTRに出たり、ドラマでも台詞をいただけたり、一気に仕事が広がりました。

月曜から夜更かしでは甲州弁VS富山弁とかのネタもあって、富山弁女子と口喧嘩をするんですが、相手が何言ってるかわっかんないんですよね(笑)相手も私の言葉は宇宙語にきこえていたはず(笑)

楽しいロケを沢山させてもらいました。

月曜から夜更かしのスタッフさんには心から感謝しています。そして甲州弁ネイティブでよかった(笑)

その後そのスタッフさんが結婚式のVTRを作ってくれたり交流が続いています。

じゅり:放送事故?!とかネタにされてましたねww 甲州弁面白いです。みなさんもよかったらググってみてください。このときは俳優としての出演でしたが、ナレーターになったきっかけは何でしたか?

マリリン

そのスタッフさんですね、私に「声の仕事に絞ったらどうか」といったのは☆

俳優と違って声の仕事はより技術的な専門職で年齢を問わず仕事として息が長い。

それに「合っている」って言ってくれたんです。

一緒に仕事をして、業界の厳しさも知った上での助言ですからね、すぐには聞きませんでしたが(笑)ジャブジャブのようにずっと心に引っかかっていて、3年ぐらいたって腹をきめました。長いでしょ(笑)。

でもはらをくくって転職で入った俳優の世界だったから、諦めがつかなかった。

逆に、一生表現者で稼ぎをあげて生活していくためには、もっと専門の力をつけて単価を上げないと無理だとも痛感していました。

若い優秀な人材はどんどん現れますしね。仕事のやり方をかえないと!

じゅり:ううー、単価上げる、力をつける、仕事の仕方…共感できる言葉です。

マリリン

そんなんで、一切人前にでる仕事をやめてナレーターの師匠について訓練しながら、声の仕事だけに絞ったんです。

結果、天職でした。

感性を活かしながら、高い専門性を持てる。

自分にしかできない仕事だじぞっていう満足感が得られました。

きっと、私はずっと「じぶんにしかできない」っていう価値を手に入れたかったんだな~って、あとになって思いましたよ☆

ママになりナレーターとして壁にぶつかる

じゅり:そんな天職を得て活躍後、ご結婚、今は2歳の男の子のママなんですよね。産後けっこうつらい時期があったと伺いましたが。

マリリン

そうなんですよ。産後鬱だったとおもいます。

渦中では自分の診断どころではないから赤ちゃんのお世話に必死でしたけど、気分ははれないし声もでないし、心から笑えなかったです。

赤ちゃんの泣く声が耳について辛い事も多かったですね。

春生まれなので、同じころに生まれたママが祖父母とお花見にいっている写真をみても、へーそう…って、感情が湧き上がらない。

出産で母体は交通事故にあったくらいだイメージをうけるっていうじゃないですか。

本当にそう!私をふくめ、30歳こえてから出産のママが多いと思いますが、体の回復力って年齢に比例します。

もうね、気合じゃどうにもなんないの(笑)現実的にメンテナンスしないとね。

でもママとしては赤ちゃんのことが一番大事で、自分にかまっている暇なんてないじゃないですか。

だから、周りの先輩ママや友だちママと体を気遣いあって、声をかけあって、疲れすぎないようにカバーする環境が大事だと思います!

じゅり:そして産後鬱を克服しながら、お仕事に復帰されるわけですね。ナレーターは、芸能人と同じくフリーランスという働き方ですが、保活についてはいかがでしたか?

マリリン

しんどかったですよー!保育園の入園申請の条件が、申込前月のさらに3ヶ月前から働いて得た収入があること!

品川区の4月入園希望申込は12月上旬(当時)ですから、8月からガンガン働いていないと、申込対象にすらなりません。

会社員の場合、育休前の勤務実績が採用されるから大丈夫です。

一方フリーランスは大変です。

うちの子3月生まれなので、生後5ヶ月で保育園なしでフルタイム会社員同等に働かないといけなかった。

しかもパパ出張しまくりのワンオペ状態。頭をかかえましたよね。

じゅり:お聞きする限りでは相当不可能に近いように思うのですが、実際どうだったんですか?

マリリン

ナレーターとしては現実問題、0歳児ワンオペママの状態で信用はありません。

在宅収録でちょっとは受注できましたが、フル稼働は全く無理でしたね。トホホです。

それでも私にとって仕事は人生でもありますから(笑)復帰するために、動きましたよ~。

キッズライン・個人のシッターさん、品川区オアシスルーム、ファミリーサポート、知人にアルバイトで保育してもらったこともあります。

それに加えて、知人の会社に在宅アルバイトとして雇ってもらって、子どもが寝ている時間に稼働しました。

寝不足過ぎて近所の児童センターの館長さんが、職員室で仮眠させてくれたこともありました。

周囲の助けをかりながら、よくやったなって思います。

その甲斐あって点数をフルで揃えて、出願!!

結果、全落ちしました。

はーーーーーー!!??ですよね。

世の中うまくいきません。

仕方ないですね。こればっかりは。

でもその後口コミで、大田区の認証保育園の事を聞いて申込みし、入園することができました。

穏やかな良い園で、感謝しかありません!!

働き方が新たなステージへ

じゅり:保育園に預けてからは、ナレーターとして復帰されたんですよね。そこから、ファンメイクボイストレーナーとして、声のトレーニングを始められたきっかけは何でしたか?

マリリン

私の話、長いですよね(笑)まだいいんですか?(笑)

保育園さまさまで、日中に時間がもてたので、ナレーター復帰するはずが、4月1日に初登園、4月2日からコロナで登園自粛しました。

そう!そういう時期だったんです。これが働き方を本気で変える転機になりました。

お世話になっていたナレーター事務所は感染対策を強化しながら運営していて、いつでも戻っておいでといってくれたんですが、正直、無理だと感じました。

コロナが広がる中で子どもの命の安全が一番でしたし、そういう選択をする私に、従来の居場所で仕事はないなと思ったんです。

しかも、最悪、夫が感染して亡くなったとき、私1人で子どもを育てるには、時間と場所を自分で融通できないとどうにもならない。危機感が背中をおした感じです。

それで音声の収録方法を勉強して、機材を揃えナレーション制作を自宅受注できるように整えました。次は新しいクライアントを探して、徐々に収入にしていったんです。

危機感からすっごい集中してやってましたよ(笑)

なんだかいつも崖っぷちな人生ですね。

まぁ、そんな事をしていたら、知人からボイストレーニングをしてほしいという社会人を紹介されたんです。

じゅり:ピンチは新たなチャンスですね!

マリリン

いや全然チャンスなんて思わなかったですよ。

なぜなら、技術を教えるのはライバルを増やすから損だなんて思ってて、だから最初は渋ったんです。

ケチですよね。人間ちっちゃい(笑)

でも何回か話をされて、受けることにしました。

そしたらまあ!教える喜びに目覚めちゃったんです(笑)

じゅり:おおおー!ドケチからどんな心境の変化が!?

マリリン

だってそうでしょ。

技術は自分だけが持っていても、私がオーディションに落ちたら、世に出ないし何の役にもたたない。

でも伝えれば、伝えた先で人を幸せにするんです。

生徒さんたちの変化と笑顔を見て、もう自分の成長ばかり考えないで、磨いてきた技術を人を幸せにするために使っていこうって心が決まりました。

こういうところ、私はちゃんと「親のマインド」になれていて嬉しかったです。

人を大事にできる自分が、好きになれました。

そこからはナレーションと平行して、ボイストレーニングを承っています。

じゅり:マリリンのボイストレーニング受けて、私、人生が変わりましたよ!長年プロの世界で積み上げたものをわかりやすく教えてくれるから、3ヶ月で変化が感じられました。

マリリン

ナレーションはとことん質をもとめて、今でも師匠について勉強しています。

一方、ボイストレーニングは、役に立つことを何より大事にしています。

楽しかったとか気晴らしになったっていうのは気分です。

そうじゃなくて、実際のスキルを身に着けてもらって、生徒さんの日々を実質的に変えることが目標です。

声が変わって仕事がしやすくなったとか、声を出すための呼吸法で子育て中の体のコリを解せたとか、読み聞かせのレパートリーが増えたとか、声を通して自分のキャラクターが分かって、服装・名刺を変えたなんて方もいます。

何をどうすればその人の役にたつか、考えるのは楽しいですよ。

じゅり:今はナレーターを育てる活動もされて、最近お弟子さんがデビューされたんですよね!プロを育てるのは、一般の人へのトレーニングとは違った大変さがあると思うのですが、どんなふうにトレーニングしていったのですか?大変さ、やりがいなど教えて下さい。

マリリン

そうなんです!知人から紹介された最初の生徒さんたちが、デビューしたんですよ!

すごいでしょ♫ほんと凄い!

みんな会社員や自営で一本太い仕事があって、さらに声を磨いて副業にしたんです!

その努力を尊敬しています!

この生徒さんたちには、私の全てを渡して来ました。

発声・滑舌など基礎テクは勿論、原稿の読み方を繰り返し、専門学校や事務所の育成機関がやるようなトレーニングを月に2~3回、1回2時間、グループでやっています。

グループっていうのがいいんです。1人でやるより成長が早い!

毎回成長するのがわかって嬉しくて、多分私が一番はしゃいでいると思います(笑)

ただひとつ、仕事にするうえでマインドは注意して伝えています。

かつての私のように、周り皆をライバルに感じて苦しくならないようにです。

人の声はね、20%が体のつくり由来、あと80%は育った環境や、体調、気分できまるっていわれているんです

これって何ひとつ誰かとかぶらない、その人そのものです。

だから、お互い成長の糧になっても競合にはならないよって伝えています。

ある仕事があって、3人応募した中で1人だけ受かった。

それはその人がクライアントの商品や起業イメージにあっていた、と、それだけだよと。

自分の良さを見失ったら苦しいばかりなのが芸能の世界です。

でも生徒さんはみんな社会人で、凄く豊かなお人柄なので心配いらなさそうです★

じゅり:声はその人がだけ持つオンリーワンのものってことですね。競合はない、高め合う仲間って思うと、途端に周りの見え方が変わりますね
今回の講座「初産、ワンオペ、泣き止まない子供 私の産後うつを救った!1回10分マインドフルネス呼吸法」開催の意気込みや、オススメポイントを教えて下さい。


マリリン

すごく楽しみにしています。忙しいママの貴重なおじかんですからね、1回で体と心を解して整えていけるように、内容を考えています♡

声を出さない呼吸法っていうのがミソです★

ボイストレーニングみたいに大きな声をだすと、赤ちゃんがびっくりしちゃいますからね(笑)

ご家族がいるおうちでも、静かに、ちょっとした時間で再現できて、凝りやイライラ解消にきく!

そんな内容がいいかな。

お水をもって、楽な服装で参加してください♫

終わりに

フルスロットルでインタビューを受けてくださったマリリン、ありがとうございます!

マリリンがなんと、11/12(金)と19(金)、2週連続で自己紹介の話し方講座を共同開催!

世界観クリエイターの平塚麻美さんと一緒にレクチャーする、受けないともったいないほどの講座だそうです。

10日までのお申込みで早割中。

ぜひぜひ検討してみてください!

https://smart.reservestock.jp/event_form/index/MDU3YmE4M2QyO

マリリンのlitlinkもチェックしてみてね!

https://lit.link/hayashimariko

お知らせ

11/22(月)開催、マリリンの「初産、ワンオペ、泣き止まない子供 私の産後うつを救った!1回10分マインドフルネス呼吸法」へのお申込みはこちら

https://peatix.com/event/3066115/view

マリリンのボイトレ体験レポートはこちら

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  • この記事を書いた人

じゅりちゃん

子どもの頃観たジュラシック・パークに憧れ、「ハリウッドしかない!」と思い込み渡米。LAで映画制作を学ぶも、就職に失敗してこじらせ帰国。うっかり入ったTV業界で、バラエティ番組スタッフとして怒涛の20代を送り、出産を機にWEB動画へシフト。メディア集客スペシャリストとしても活動。コンテンツを作っておわりではなく、しっかりと集客に活用できる資産になるよう、メディアの導線設計も日々研鑽中です。趣味:映画・Netflix韓ドラ観賞/特技:並べた椅子の上で寝る(ADは皆できる)

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