こんにちは!歴史学科考古学専攻卒・地中海沿岸の歴史大好きな料理研究家・Ruiです。
料理の持つ背景や歴史を知れば、料理が3倍面白くなる!
てことで、ぼくの大好きなパスタを中心に、歴史的な背景や成り立ちを調べていくブログを始めます。
第28回の今回は、新しいカテゴリーを増やそうと思いまして、エスニック❗
その中でも人気の一つ、カオマンガイを紹介していこうと思います。
1、色んな名前があるような…
カオマンガイはタイ料理の一つです。茹でた鶏とその茹で汁(鶏出汁)で炊いたご飯をワンプレートで提供するもので、タイ料理やエスニックのお店に行けばほぼ確実にメニューにあるくらいの人気料理ですね。ぼくもコレ大好物です❗
そして、カオマンガイは国や地域によって様々な呼び名があります。タイでは「カオマンガイ」、シンガポールでは「シンガポール・チキンライス」、ベトナムでは「コムガー」、マレーシアやインドネシアでは「ナシ・アヤム」などなど…。
なぜこれほど多くの呼び方があるのでしょうか❓
答えはシンプル、国や地域を越えて広く親しまれている料理だからです。
この料理は元々は「海南鶏飯(ハイナンジーファン)」という、中国は海南島の名物料理でした。その後、中国系移民によって伝わり、さらに各国で独自の進化を遂げたと考えられています。だから同じ料理に様々な呼び名がついているんですね。
こういうことは歴史上でしばしば見られます。
例えば、アレキサンダー大王。おそらく誰でも知っているでしょう、世界的知名度の大英雄ですね。かつて彼は世界の半分征服したものだから、国や地域によって色んな呼び名があるんです。「アレキサンダー」「アレクサンドロス」「イスカンダル」これらはすべて彼の名前が現地の言葉でなまったものです。
他にも、聖母マリアにちなんだ「マリア」という名前は、欧米ではとてもポピュラーなものですが、これも国によって「マリア」「マリー」「メアリー」「マリーア」「マライア」など、様々です。
人でもモノでも、有名であればあるほどこういったことは起こりやすいのでしょうね。
また、多民族国家のマレーシアなどでは、宗教上の理由もあります。
・ヒンドゥー教=牛を神聖視するため食べない
・イスラム教=豚を不浄の動物とするため食べない
その代わりに鶏料理が発展した、という背景があります。
2、各国で違いはあるの❓
カオマンガイは、呼び名は多々あれど料理そのものに大きな違いはありません。茹で鶏+ライスというかたちは各国共通のようです。チキンスープが添えられることも多いようです。
相違点は、料理ではなくタレです。付け合わせのタレで味が大きく異なります。
○シンガポールのタレは3種類、ダークソイソース(黒醤油)、チリソース、生姜&レモンだれ、お好みでかけて食べます。
○タイのタレ(ナムチム)は、基本タイの液状みそ「タオチオ」ベースでニンニクがガッツリ効いたタイプです。
○ベトナムでは「ヌクチャム」。ヌクマム(魚醤)、レモン汁、砂糖、唐辛子などが入った万能つけダレ。
○マレーシアはシンガポールの生姜ダレに似ていますが、唐辛子多めのとっても辛いタレが好まれるよう。
自分好みのタレを見つけるために、数店舗回って食べ比べするのもいいかもしれませんね。
3、え❓あの家電で❓
というわけで今回も早速作ってみましょう。でもなんか難しそう❓
いえいえ、大丈夫です。実はある家電さえあれば簡単に作れます。
それは•••炊・飯・器❗️
日本人なら炊飯器のない家ってのもそうそうないと思われます。ので、大丈夫❗️
下準備を整えればあとは炊飯器任せでいけます❗️
今回はスイートチリソースも手作りでいきましょう。
え❓アレ作れんのって❓はい、作れます❗実はとっても簡単です。
市販品だとどうしてもロットが大きくなるので、一度使うと大部分余っちゃう〜 なんてことありませんか❓
なら作っちゃえばいいじゃない❗食べる分だけ❗イエ〜イ
ではでは、レッツクッキン
材料(3〜4人分)
- 鶏モモ肉 2枚分
- 米 3合
- だし昆布 2枚(約10g)
- A 酒 大さじ1
しょうゆ 大さじ1
塩麹 大さじ1
砂糖 小さじ1
ナンプラー 小さじ1
おろしニンニク 小さじ1
おろし生姜 小さじ1
鶏ガラコンソメ 大さじ1 - ハチミツ 大さじ2
- 豆板醤かコチュジャン 大さじ1
- レモン汁(お好みで) 小さじ1
- レタス、トマト、キュウリ等 各適量
- 白ごま、万能ねぎ、黒コショウ 各適量
ぼくのレシピはだし昆布がミソです。
肉のイノシン酸と昆布のグルタミン酸をかけ合わせることで旨味が倍増するのです。
昆布出汁のおかげで日本人好みの仕上がりにもできます。是非❗
ナンプラーはなかなかにクセが強い食材なので、お好みで入れなくても大丈夫です。
豆板醤とコチュジャンは、豆板醤の方が辛みが強いように感じました。もちろんメーカーにとって多少違いはありますが、辛党の方には豆板醤をおすすめします。
作り方
1、鶏肉を縦長になるようカットして、分厚い部分は切り開いておきます。鶏肉をナイロン袋に入れ、Aの調味料を全て混ぜ合わせて入れてよく揉み込んでおきます。冷蔵庫で30分ほど寝かせます。
2、米を研いで、規定より少し少なめの水とだし昆布を入れ、20分ほど吸水させます。
3、その間にスイートチリソースを作ります。小さめのフライパンにハチミツと豆板醤をいれ、弱火でなめらかになるまでよく混ぜます。はい完成❗マッハ簡単❗粘り気が強すぎる時は水を少しずつ足しながら調整してください。
4、だし昆布の上に鶏肉をのせます。なるべく肉が重ならないように注意して。その後、普通に炊きます。ピッと。
5、付け合せにトマトやキュウリを使う時は、一口サイズにカットしておきます。
6、炊きあがったら鶏肉と昆布を取り出し、ご飯をよくほぐします。鶏肉はナナメそぎ切りにします。器に盛り付けて、スイートチリソースと野菜を添えて、お好みで白ごま、万能ねぎ、黒コショウをかけて完成❗
4、まとめ
おいしかったです❗
ニンニクやスパイスが効いたエスニックって、なんか時々無性に食べたくなりますよね❗
そんな時には是非お試しあれ❗炊飯器一つでお手軽本格エスニックです。
しかし、名前から掘り下げただけで色んな背景が分かりますね〜。いや〜やっぱ歴史はたまらん❗
では今回はこのへんで、また次回も見てくださいね〜。
5、インフォメーション
さかのした合同会社では、毎月第3日曜と火曜に「みんなの調理実習」を実施しています。みんなで楽しくワイワイ、コミュニケーションしながら作り置きおかずができちゃうサービスです。惣菜販売も同時に行ってますので、今日の夕飯にプラス一品ぜひ!
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参考資料
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E5%8D%97%E9%B6%8F%E9%A3%AF
- http://www.newsclip.be/article/2015/12/07/27683.html
- http://asiagohanz.com/2017/06/07/column-chickenrice/